お地蔵さんの恩返し~地蔵菩薩の霊験~
category: 霊性修行

皆さん、こんにちは。
皆さんは、笠地蔵という昔話をご存知でしょうか?
私は小学校の頃教科書に載っていたのを覚えています。
➡ 笠地蔵
笠地蔵っていい話ですね。
私は一見世間的に馬鹿みたいな行動をする善人が大好きですし、自分もかくありたいと思っています。
でも、この昔話を読んでお地蔵さんに霊験があると知り、同様の行動を取る人はほとんどいないことでしょう。
今日はその笠地蔵と良く似た話をします。
初秋の午後、山中での修行中、兄弟弟子のTさんがある仏教寺院を参拝した後に「身体が重くなった。」と訴えました。
「まるで石を背負っているかの様だ・・・」と目をつぶってぐったりと辛そうです。
師匠は、それに対し瞑想を勧めるでも、ヒーリングをするでもなく、
「Tさん、どこでもいいからお地蔵さんのところに行って、お参りをして来なさい。花や線香を捧げたらお地蔵さんも喜ぶことじゃろう。」
と、答えました。
その後、Tさんは私を連れ添って、車で10分以上走り、近くのお地蔵さんのところに行きました。
高さが60㎝位のお地蔵さんでしょうか、酒やドリンクが3つばかり置いてあり、赤い頭巾と前掛けをしています。
誰かが定期的に訪れ、お参りしている様子が伺えます。
土台の石には「鎮魂」と刻んでありました。
きっとかつてここで何かの事故や災難があったのでしょう。
Tさんと私は、お地蔵さんの周りの草を刈り、水で全体を洗い始めました。
往来の多い通りなので、少々恥ずかしい気持ちもありましたが、お地蔵さんを洗っていると自分自身の心が洗われていく様で、何とも言えず清々しい気持ちになりました。
伸び放題に伸びた草もさっぱりと刈られ、石に付着した苔もすべて水で洗い流されました。
「あぁ、すごくきれいになった・・・」
そして、2人でお地蔵さんに「ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・」としばらくお祈りをしたところ・・・
スーッと肩首の重さが軽くなりました。
私は正直特に何も期待していなかっただけに「あっ!スゴイ」と思いました。
そして、Tさんは「身体がとても熱くなって、重いのが急に軽くなった。」と驚いていました。
相当辛かった身体がこの短時間で楽になったのです!
修行場に戻ると、他のお地蔵さんを洗いに行った熊さん(人間です、女性)も
「すげー身体が熱くなった、ここに戻ってくるまでずっと熱かった!!」
と感嘆しきりです。
その感想を聞いた師匠がこう言いました。
師:「昔はあちこちにお地蔵さんがあったが、今は信仰が廃れそれもどんどん少なくなってしまった。昔はお地蔵さんの霊験を知るお年寄りも多く、水子地蔵やイボ取り地蔵などあったんじゃ。オレの子供の頃は医療も発達してなかったから、イボができたら『あそこのお地蔵さんを撫でて来い』と言われたもんだ。」
師:「放置されたお地蔵さんや無縁仏に手を合わせると、ずっと誰にも気づいて貰えんかったから喜んでくれるんじゃ。お地蔵さんがいたら、ちょっと立ち止って手を合わせるだけでもいい。花や線香を捧げてあげるともっといい。香りは神のごちそうだからな。今日の様に洗ってあげたら最高じゃろう。」
お地蔵さんにその様な力があるとは全然知りませんでした。
お地蔵さんが恩返しをしてくれるとは、本当に笠地蔵の様です。
私が「お地蔵さんも入魂されているのでしょうか?」と師に尋ねると、
「いや、多くは入魂されとらんだろう。しかし、百年以上かけてたくさんの人が拝んだ仏像は力を持つ様になるのだ。だから一般的にたくさんの人が拝んだ仏像ほど力を持っていると見ていい。」
私:「今日のお地蔵さんは首が落ちた後があって、接着されていましたね。」
Tさん:「この辺りで数年前仏像などが破壊されることが多発した事件があったので、それかもしれません。まったく酷いものです。」
師「そんな罰当たりな奴がいるもんだ。お地蔵さんの首肩を撫でてあげたら自分の肩が軽くなる様に、お地蔵さんの首を落としたりすれば、それは重大なカルマになって自分の首にはね返って来よう。今既に首が曲がって苦しんでいるか、来世に障害を持って生まれて来ることになろう。」
「余り大きな声では言えんが、その様な法則があるのだ。それは神のカルマというものだ。それは本人が気付いて反省するまで苦しみが続く。どこに言っても治らない訳のわからん病気だ。それをヒーラーが治そうとすれば、ヒーラーにダメージが来ることになる。その様な人は治してはいけないのだ。」
「しかも、それが本人だけに留まらず、家族や子孫まで及ぶこともあるからな。」
まったく真理に対する無知というのは恐ろしいものです。
科学的でないという理由で、神を信仰する人は現代では少数派です。
この様な話は魂で聞くものなので、曇りがある人にはまったく伝わらず迷妄の類や狂信として片付けられます。
神のカルマのみならず、先祖の因縁で苦しんでいる人を私は数多く見て来ています。
善人のお客様がどうしてこうも苦しむのだろうかと解せず、私は苦渋の表情を浮かべることもありますが、その問題・苦しみの原因は本人自身が作ったものでないこともよくあるのです。
閻魔大王(出典:wikipedia)
師:「何と言っても閻魔大王はお地蔵さん(地蔵菩薩)の化身だからな。何でもお見通しで善行も悪行もすべて閻魔帳に記載されとる。」
「お地蔵さんは信仰への入り口だ。だから昔は村や町のあちこちにあった。お地蔵さんを拝んで験があれば、『あぁ、ありがたい』と感じ益々信仰が深くなっていく。そうして神仏とのつながりができていくんじゃ。」
「最初は現世利益の願いでもいい。最初の内、神は苦難を与えて欲で釣るのだ。」
「だから『身体が痛いところを治してください』とお地蔵さんを洗いに行けばいいんじゃ。全然金はかからんだろう。そうして神の力や偉大さを知ったら、次第に自分自身のことだけではなく、周りの人の幸せを祈る様になる。それが信仰というもので、功徳を積んでいくことになるのだ。」
「これは実にいいことを聞いたなぁ」と正直思いました。
現代は人の心が荒廃し、人の道を知らない輩が多くいます。
それだけにこの様なことを周りの人や子供・孫に伝えていかなければならないとも思った次第です。
今日のこのお地蔵さんの霊験を知って、心に響いた方はお近くのお地蔵さんを詣でてください。
できれば、お花やお掃除セットも持って行かれると良いです。
すぐに実践できる人は不思議と神仏に護られる人生を送ることでしょうし、家族や子孫も運に恵まれることでしょう。
私は日々気功治療に携わっている中で常々感じることは、人の徳(善行の貯金)と業(悪行という負債=バットカルマ)です。
病気の人を良くしてあげたいと心から思い気功治療にあたっていても、たくさん気(エネルギー)が降りてくる人と、カツカツで気が降りてこない人がいます。
前者の場合は短期間で病気が改善することが多いのですが、後者の場合はなかなか思う様に回復しません。
この様な経験を通して、天の貯金・カルマというものの存在をリアルに感じられる様になりました。
この世界を問題や災難少なく安泰に生きていきたいと願っても、全然叶わず苦労の連続の人もいますし、何事も恵まれ順風で心穏やかに生きていかれる人もいます。
後者の生き方をしていきたいと願えば、人知れず善行を重ね、天の貯金(これを陰徳といいます)を積み重ねなければなりません。
その一つが今回のお地蔵さんであり、そのために私たち修行者に今回素晴らしい霊験を顕してくれたものと思います。
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2017-09-14 22:27