固定客を望まない治療院経営
category: 気功の施術の現場で

「治療家は侍なり」
修行で山に入っており、昨日日曜日の夕方遅くに帰ってきました。
山も雨が多かったです。
修行があるとブログの更新ができず、楽しみにして頂いている方には申し訳なく思っております。
さて、先日、四国に住む叔父と久しぶりに会う機会があり、叔父との会話でこの様なものがありました。
「最近、腰が痛くて近くの鍼灸院に行っているのだけど、あの商売っていうのは固定客が付くといいもんだろうねぇ。」
と、叔父が言いました。
叔父は現在リタイヤしていますが、元は社長でしたので経営的な観点で見たのだと思います。
叔父の言っていることはすなわち私の気功院のこともそうであると言っている様に思いましたので、私は次のように答えたのです。
「いや、僕は別に固定客がほしいと思ってやっているのではありませんよ。僕は早くお客さんに良くなって貰って、次々に新規のお客さんに来てもらいたいのです。」
言うなれば回転率を高くする経営ということでしょうか。
治療院・施術院の経営を考えれば固定客が付くというのは経営の安定につながりますので確かにそれは望ましいことでしょう。
しかし、一方でそれはお客様の状態が余り大きく変わっていないということでもあります。
美容室などで固定客が付くというのは望ましいことと思いますが、治療院でお客様を固定化するというのはお客様がいつまでも同じ病気・症状を抱えて苦しんでいるということになります。
ですので、治療業界において「固定客」というのは嫌な響きを持っていると感じられます。
もちろん、病気・症状はご本人の持つ原因で起こるものですので、すべて治療家・施術家が治して差し上げられるものではありません。
とはいえ、余り状態が良くなっていないか、とても緩やかに回復しているというのはやはり治療家・施術家にも技量の至らなさがあると自覚し反省すべきと思います。
真摯にお客様を良くしてあげることを考えている治療家・施術家にとって固定客が増えているという状況はある意味問題であり、そのレベルを超える様 自分自身をもっと向上させる必要があるのでしょう。
私自身も短期で良くしてあげようと思いながら気功の施術に努めていますが、そうはいっても人によって結果的に長く通って頂いている人もいます。
ですが、治療家・施術家として顧客を固定化する、長く通ってもらうという意識を持つことはあるべき姿ではないと思います。
私はお客様を通ってもらおうという意識を持っていませんので、1回1回の施術の密度が濃くなっていると感じます。
しかし、「この人には長く通ってもらえばいいや」という意識を持ってしまうと、気功家であれば実際その様に気も作用するでしょうから、良い結果が出る訳はありません。
1回1回の施術に勝負をかける様に真剣にすることで、最大の結果が出るのだと私は考えます。
回数券も同じで、一見割引をしてあげて良心的っぽく感じられます。
これがどこかの喫茶店であれば本当にお得でハッピーなことでしょう。
しかし、治療院であればその回数までお客を引っ張るという意識がどこかに働きますから結果的に施術効果は落ちていくのではないかと思います。
よく当院にも治療家向けの経営セミナーのチラシがFAXで入ってきます。
それを見ると、多くセミナーがいかにお客を通わせるかという内容になっています。
本当にその様なものは治療家・施術家の風上にも置けない唾棄すべきものと思います。
多くの治療家・施術家はお客様を通わせる様に誘導するのでしょうか?
他の店の経営方法を知りませんし、私はその様な誘導はしませんので、よくわかりません。
お客様からどのようなペースで通院すれば良いですかと問われれば、その方の様子をみてアドバイスはします。
しかし、「通わなければ治らないよ」とか「悪くなるよ」とか、その様な脅しになる様な言葉は言ったこともありません。
埼玉には、ある有名な繁盛している整体治療院があります。
そこで勤務していた元スタッフと縁があり、内情を聞いたことがありますが、とにかく通わせることしか考えていない、経営がすべてである、と言っていました。
極めつけはお客様の痛みをとってはいけない!?と指導しているそうです。
お客様の痛みをとることは整体的に良くないことなのだそうです。(と、いうか痛みをとれないのだと私は思うのですが・・・)
私はそれを聞いて、チンプンカンプンで訳がわかりませんでした。
その店は宣伝が上手でいかにも「治る!」「最高の技術!」みたいにやっていますので、たくさんのお客様が集まっています。
でも、有名だからといって高いレベルの技術を持っている訳ではありません。
外から見ているだけだとわかりません。
人間や店を見極める目がなく、その様な店に行ってしまう人は不幸と思います。
治療家・施術家はお客様を早くお元気にしてあげる仕事です。
そのために、日々修行・研鑽・勉強を重ね自分自身を向上させていくのです。
時にはそれは厳しいものになることもあるでしょう。
また、お客様の邪気にやられて気持ちが折れそうになることもあるでしょう。
この仕事は本当に簡単なものではなく、人生をかけて取り組んでいく価値のある仕事です。
私の場合、どうやって集客するかとか、マーケティングをどうするか、売り上げを伸ばすかというところに意識が行くと途端に客数が減少します。
しかし、自分自身を神の手足としてこの地上世界で活かすつもりで、いかにお客様の病気や苦しみを癒していくかというところに意識があるとお客様は次々にやって来られます。
同じ様な事は「日月神示」にも書いてあります。
歓喜第一、神第一の奉仕が霊人の職業である。
故に、自分自身の我が表に出た時は、力を失い、仕事を失い、苦悩する。(地震の巻)
ここでは霊人(死後の人間の姿)のこととして書かれていますが、それは同時に現在生きている人間にも当てはまることです。
お金を稼ぐ、有名になる等の我(エゴ)があると、ご神仏の力(正法)を使う真の気功家・ヒーラーにはなれないということなのでしょう。
治療家・施術家の世界は、商人の住む世界ではなく、職人の世界です。
私自身も技量がまだまだと思いますが、常にプロ意識を持って真にお客様のお役に立てる気功家になれる様歩んでいるつもりです。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
読者の皆様の健康と幸せを今日も祈念致します。
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